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2014. 8
八王子南教区
法灯相続実現をめざし!
第一章 入信のキッカケ
ありがとうございます。
私は、今から約七年前に入信しました。きっかけは、主人の弟が病気となり、信心をしていた主人が、弟家族を入信させ、その時から私も始まりました。
この頃の私は、弟のために開門参詣を欠かさない主人に対し「いってらっしゃい」と素っ気なく声をかけるだけでした。当時の主人は体調が思わしくなく、自分の体をかえりみずお参詣に行き、お参詣の功徳を頂戴したお蔭か、余命半年と言われた義弟は、二年半もの増益寿命を頂戴することが出来ました。
つつがなく弟を見送り、緊張の糸が切れたのか、主人の調子は徐々に悪くなり余命いくばくもない状態へとなってしまいました。
第二章 不思議な御利益
私達夫婦には結婚してロサンゼルスに住む娘が一人おりますがなかなかすぐには帰ってくる事が出来ません。主人がいつ、どうなるか分からない状態の中、私は大きな不安を感じておりました。この時、受持御講師が、主人の状態を聞き、奉修していたお講席の後に、お助行をして下さり、大勢の皆さまが主人の為に御看経をあげてくださったことを聞きました。
皆さまが主人の為に一丸となってお参り下さった温かいお心に感謝するばかりでした。
この時も、皆さまのお助行のお陰か、「娘が帰ってくるまでもたない-」そう言われていた昏睡状態の主人が、ハッキリと目をあけるほどに回復し、娘が病院につくまで持ったばかりか、その場でロスにいる孫と電話で会話するまでに意識を取り戻したのです。これは、今考えても本当に不思議な御利益だと思います。そして、娘に会い、孫と会話できたことでホッとしたのか翌日の朝十時半、主人は息を引き取りました。
第三章 ご信心への目覚め
主人が亡くなった後、すぐさま受持御講師と教区長さんが駆けつけ、親身になって話を聞いてくれ、亡くなった後に起こりがちな、不安感・緊張感といったものを和らげて下さいました。
もし、この時にお寺という存在、御講師・ご信者の皆さまの存在を知ることがなかったら、今現在の人生も、大きく変わっていただろうとつくづく思います。そしてその場で、私と娘はお折伏をいただきました。
「毎朝朝参詣を欠かさなかったご主人に代わり、今度は、藤原さんと娘さんが、御主人の代わりに朝参詣を気張る番ですよ」正直、この時もまだ、私の中で信心の気持ちは起こってきませんでした。
信仰を持つことは大事だと思う。しかし、自分から積極的に信心の場に足を向けることはしたくない。
そんな気持ちを抱いていました。
しかし、娘の方が信心に対し積極的な気持ちになっていましたので、嫌々ながら、娘に連れられてお寺参詣の毎日が始まりました。
恥ずかしながら、最初はお寺に行っても気が入らず、お看経の声も全く出ませんでした。自宅からお寺まで歩いて五分という道の途中、あまりの行きたく無さに血圧が上がり、途中で引き返したことも度々でした。
もうやめたい、そんな風に考えても、アメリカに帰った娘が「お寺に行ったか?」「きょうの御法門はどんなだった?」ということを、毎日電話で聞いてくるものですから、お参詣を続けておりました。
そのような日々を送っていた時、同じく朝参詣にお参りされているご信者、織部さん(私より十五歳近く年下の方でした)が、私のことを「お母さん」と慕ってくれ、いつの時も一緒にいてくださる、かけがえのない信心の友として私と接してくれました。年下とは言っても、信心歴では圧倒的に織部さんの方が上でしたので、度々、私に対して、ご信心の心得を教えてくださいました。
わからない事も、ご信心上の辛いことも、みんな親身になって聞いてくれる。この織部さんのお姿、存在というのは大きかったと思います。
第四章 法灯相続に向けての心掛け
今年、私は八十六歳を迎えます。八十歳頃から始めたご信心ですが、もう少し早くご信心の素晴らしさに気づいていたら、と考えています。もっと年を取ったら、出来ることも出来なくなる時が来る。その時に「こうしておけばよかった」と後悔しないためです。家族に対して、しっかりと信心に励む姿を見せることが大事、と御法門で聴聞した日から、形に現れたご奉公を心がけるようにしています。
御導師や御講師、ご信者の皆さまが「藤原さんの顔、本当に生き生きしていますね」と褒めてくださること、大変ありがたく感謝しております。今や、朝のお参詣をさせていただかなければ、なんだか一日落ち着かないほどになりました。お講やお助行等、何もない時ほど、つまらないなぁ、と思う時はありません。
どんなに若い人であっても、ご信心のアドバイスを素直に聞いてご信心に励む、これが今、私が一番心がけている事です。言われたことを素直に実行する事は難しいことかもしれませんが、何でも聞いて実行する。
私に信心を教えてくれた先輩の方がたは、皆そうやって御利益をいただいているからこそ、私もそうありたいと思います。この事は今、娘とも共有してご信心に励んでいます。そのことを孫にも伝えていくことが、法灯相続の一歩になると感じ、お参詣に気張っています。娘は今、ロスの正法教会のメンバーとして一生懸命ご奉公しています。最初は娘に教えられたような感のあるご信心、今度は私のほうからも何かおしえられるようにしたいと思います。
終わりに
私に信心を教えてくれた年下の姉、織部さんは、今年の三月二十一日、まことに残念ながら帰寂されました。臨終の間際、お数珠を握りながら小さな声で、最後の最後まで御題目を唱えていた姿を、私は忘れることが出来ません。亡くなる直前の一月、お酒好きの私に対して「信心が分かってきたら、年々、志を上積みしていくことが大事、ビールにかけるお金のほんの少しでも、本山のお初灯明料にまわして功徳を積ませていただいたほうが、ずっとずっと自分の身に残るんですよ」と教えてくれた言葉が印象に残っています。信心を教えてくれた織部さんの為にも、またお世話をして下さるご信者の皆さまの為にも、私は最後の最後まで、お寺参詣、お講参詣に精進し、家族へご信心の灯を伝えていこうと思います。
ありがとうございました。