武蔵野教区 |
我が家の御宝前 |
私の家の金丸御本尊と御尊体は、父が昭和17年にお受けし、そして法灯相続を経て今現在、私が引き継ぎ、ご信心をさせていただいております。
ちょっとした拍子にその当時お講師だった泉淳師(御導師)に(御宝前の中の金が剥がれてしまったので)「これ直りますか?」と伺ったら「大丈夫だよ!持って行って綺麗にしてもらってくるよ。」と言ってくださいました。 その後泉淳師がわざわざ家に取りに来てくださいました。 しかし、金丸御本尊が奥の壁に打ち付けてあって外れないので、「これも一緒に持って行って綺麗にしてもらってくる!」といって綺麗にしていただきました。
綺麗になってお帰りになってきましたら、今度は御礼盤(御尊体をお乗せする台座)の古さが目立ってしまいました。 戦中は金丸御本尊も御尊体も箱に入れて防空壕にお供したりしていましたので、金丸御本尊も黒ずんでいました。 ちょっとそばに焼夷弾が落ちましたが港区にあった我が家は全く被害がありませんでした。 その後そのまま御宝前にお掛けしていたのです。
御尊体もすすけた感じですから「この機会に塗り替えて直していただけますか?」と伺ったら「いいよ。」と気安く言ってくださり、塗り替えのため、ご修復御奉公のお供を快くお引き受けくださいました、お帰りになった御尊体は、見違えるほどに綺麗になり、本当に嬉しかったです。 これらの御本尊・御尊体・御礼盤は今でも綺麗にお祀りさせていただいております。 それも全て泉淳師がして下さったお陰と、本当に有難く思っております。
そういった思い出を沢山作っていただいたので、今も御看経をあげるたびにふと泉淳師の事を思い出します。 お姿は拝見できなくなってしまいましたが、これからもしっかりと御回向・ご信心に励んでまいりたいと思います。 |