日堯上人の思い出

東村山教区

日堯上人の思い出

 

 

 平成17年2月門祖会のお話をさせていただきます。

 

 御会式を間近にひかえ、奉修御導師の接待ご奉公をいつもと違うようにやりたいと、乗学師、序説師よりお話がありました。

日堯上人はじめ接待の場所となる2階の奥の部屋にて準備の話し合いです。

お魚のお好きな奉修御導師ですので、お寿司にしよう、と言う事になり、

「ならば、お寺にお寿司カウンターを作って召し上がっていただきましょう」と、

寿司屋を営んでいた私たちに白羽の矢が立ちました。

有難いお話ですが、さぁ大変!決まったはいいものの、私達は出張寿司をした事がありません。

 

 準備さえ出来れば、握る方はおまかせ下さい、と言いたいところですが、やはり1人ではなかなか出来るものでもありません。

同じ教区内の御信者さんが「甥っ子が、新宿の寿司店で板前をしているから」と声をかけて下さりお願いをしますと、「ご奉公しましょう」と言う返事。本当に

助かりました。

 

 お茶入れは娘にしてもらう事になり、準備万端当日を迎え、御会式もあっという間に終わったという感覚。

本来ならここでお参詣御奉公が終わりになるのですが、今回に関してはここからが本番。私達も緊張の一瞬です。

お寿司、特に貝類がお好みと言う事でしたので、ご用意させていただきました。

お寿司を召し上がりながら、奉修お導師が日堯上人に

「清流寺さんはこうして寿司を作ってくれる信者さんいる事はなんとうらやましい事ですね」

と言われ、日堯上人もにっこり微笑まれ、私は恐縮しました。本当に嬉しかったです。

玉子焼のおみやげをお持ち帰りいただき、無事ご奉公を終え、各部署にもお寿司の出前をさせていただき閉店となりました。

この様なすばらしいご奉公が出来ました事、80歳を過ぎた今となっても、日堯上人の喜ばれたお言葉と笑顔は忘れる事はありません。

私達にとって、なかなか言葉にし難い、私たち家族だからこその、ありがたい幸せを、身を持って感得いたしました。

私はお嫁に来て法燈相続3代目の主人と信者さんに囲まれて60年あまり、これからも変わらず、皆さんと一緒に御奉公をさせていただきたいものです。

日堯上人のあまりに早い旅立ちに、心のどこかで寂しさと悔しさがこみあげてきます。

 

 日堯上人がお説きくだされた忘れられない御法門

  「信心は 何になるぞと 人問はゞ

    一寸先は 闇の提灯」

 

 いつまでも忘れずに毎日を送っていきたいと思います。

 御導師、本当にありがとうございました。