日堯上人の思い出

八王子東教区

日堯上人の思い出

 

 私が庫裡の御奉公に上がらせていただくことになったのは、初代住職日序上人の四十九日の日にご縁があり「これからご住職(日堯上人)のところに御奉公に上がりなさい。」とお話しをいただいたことからでした。それ以来、庫裏のお掃除等、御奉公にあがらせていただいております。

 

 翌日、御挨拶に伺うとご住職は「これからよろしく頼むよ。」と優しいお言葉をかけていただきました。

私が「どういう風にさせていただけばよろしいでしょうか?」と伺ったら、

「まぁ、四角いところを丸く掃いてくれればいいんだよ。」

とおっしゃられ、緊張がほぐれたことを今でも覚えています。

 

 大方、朝8時頃から御奉公させていただきますので、朝の連続テレビ小説の時間になるとご住職がテレビをつけて「観ても良いよ!」と言って下さいました。

また、ご信心以外のことでも私がわからない事を伺うと、御親切に何でもすぐに教えてくださいました。

本当に、心の広いお優しい方でした。

 

 ご家庭ではご家族思いで、仲が良い、見ていて微笑ましいご夫婦でした。

いつも冗談を言い合ながら笑い、とても息が合っていらっしゃいました。

 

 気が付けば、23年ほど年月が経っていました。

先住日序上人ご在世のころ、母も同じく庫裏で御奉公させていただき、80過ぎまで精一杯御奉公していました。

 その母をお手本に、私も体が動ける間は庫裡で、精一杯、御奉公させていただきたいと思います。